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岡山県岡山市北区足守 古民家再生in足守 vol.7
2018.06.09
みなさんこんにちは。(株)木ままの川上です。
今日は梅雨の合間の快晴の日でした。足守の古民家再生のお引渡しの日にぴったりな一日だったと思っております。来週からは雨続きの日が待っているそうです。台風も発生しており、春から夏にかけての風物詩を感じております。日本には四季があります。日本は4月がスタートなので、春から始まり梅雨を経て夏が来て、台風シーズンを迎えて秋が来て気づけば冬になります。四季折々の花が咲き、動物に会い、太陽の光、雨、雪など天候にはっきりとした差が年中感じられる世界でも珍しい土地であり気候ですよね。縦長の日本列島は北海道には梅雨がなく、沖縄には雪が降りません。日本の中でも気候の差がある為、いろんな季節を感じられる岡山という土地はいい土地だと言い聞かせて、外仕事の進まない苛立ちを抑えなければと思っております。四季の影響を受けるが故に木製品は動きます。取り扱い説明で説明しながら自然の物を使う以上、自然には勝てないので人間側が我慢することも大事なんだと思いました。それが我慢できないのならば、工場製品を使う他なりません。動く建具と動かない建具とあります。材質の選定時に気を付けますが、木の個性だと思ってかわいがってやる度量の要る建物であり、各部材だと思いました。
所在地:岡山県岡山市北区足守
工事内容:平屋 古民家再生 住宅建築
記載日:2018年6月9日
記載者:株式会社木まま 川上
さて、今日は本日お引渡しをした古民家再生の現場の最後のご報告です。
解体からでいうと、約9ヶ月が経ちついにお引渡しをすることができました。昔の建物を現代の技術で再生していくと言えば聞こえはいいのですが、新築と違い様々なことが起きるのが現実です。一つ一つ対処していくため、思うようには進みません。建物自体が歪んでいる為、合わせないといけない所、直さないといけないところ、場所によって異なるため、とても判断の難しいところが多くありましたが、棟梁を始め多くの職人さんと共に作り上げることができとても良かったです。完成披露が無かった為、少し内部の様子をご紹介しますね。
和室の書院と床の間、仏間です。出書院は昔のまま残し、床柱もそのまま残しています。床板は痛みが激しく、やむなく取り替えました。違い棚で使われていた棚を天袋と地袋の板として使い、足りない所は新しいもので補っていきました。
寝室とアンティークルームの境の建具は旧家の物を使い、天窓の格子も既存のものを使用しました。トップライトの光が差し込む為、日中は明るいお部屋になっています。床との相性が良いなと感じられる場所なので載せました。
LDKの一枚です。天井は旧家の母屋で使われていた大きな丸太を移設し一番のメインどころのリビングに使いました。現代の家ではなかなか大きな丸太が使われることはありません。旧家ならではの物を活かしたデザインになっています。キッチン裏の収納は奥様が考えられた収納です。造り付家具なのでスッキリとした印象になっています。アクセントのタイルも映え、珪藻土を塗っている為心地の良い空間になっています。
最後に外観です。焼き板を基本とし、妻側の三角の所と出窓の部分は漆喰を塗っています。足守は町並みが整っている地区なので、周りに合わせた、調和したデザインにしています。2階建てを平屋にする改造工事はとても勉強になりました。昔の技術もみれる為いろんな意味で勉強になります。
これから住み始めると断熱性能、光の取り入れ方など旧家ではなかったことが感じられると思います。長い間お世話になりました。これからの方が長いお付き合いになりますので、よろしくお願いいたします。