木ままニュースペーパー
岡山で庭のある家を建てるメリットとは?外構を後回しにしない一体設計の判断
2026.08.20
庭を後回しにせず、窓・軒・植栽・予算を最初から一体で考えると室内外がつながる理由
庭のある家は、建物が完成してから外構を足す進め方では実現しにくい住まいです。理由は明確で、窓の位置、軒の深さ、植栽、地面の高さ、予算配分が互いに連動しているからです。どれか一つを後回しにすると、残りの要素の選択肢が一気に狭まります。間取りの打ち合わせが進むほど、頭の中には疑問が増えていきます。「外構って後からでいいの?」「庭に回すお金は残るの?」「建物と庭、別々の会社に頼むと何が起きる?」。この記事では、後回しで崩れる三つの連動を具体例と数字で示し、どこまで同時に設計すべきか、誰に相談すべきかを自分で判断できる状態まで整理します。
【この記事のポイント】
- 窓・軒・植栽・地面の高さは連動しており、外構を後回しにすると室内からの景色と動線が崩れる
- 外構予算は「残ったお金」ではなく、最初に総予算の1割前後の枠として確保するのが判断の起点
- すべてを同時に決める必要はなく、「先に決めるもの」と「後でよいもの」の線引きが分かれば十分
この記事の結論
- 庭のある家の失敗の多くは、設計力ではなく「決める順番」の問題。
- 窓の位置・軒の出・デッキの高さ・配管の逃げは、建物工事と同時にしか決められない。
- 植栽の樹種や庭の仕上げは、後から足せる。土台だけ先に仕込む。
- 外構費の目安は総予算の1割前後。100〜300万円の幅を最初に見込む。
- 建物と庭を一体で設計施工できる会社に、間取り確定前の段階で相談するのが近道。
「後回し」で崩れる三つの連動——窓・軒・予算
窓と植栽の位置がずれると、室内からの景色は戻せない
リビングの掃き出し窓から何が見えるか。これは窓の位置と樹木の位置が同時に決まって初めて成立します。窓が先に固定され、植栽が後から入ると、木を植えられる場所は「残った地面」に限られます。隣家の壁が正面に見える窓、道路からの視線が抜けてカーテンを開けられない窓は、この順番の逆転から生まれます。
2024年の秋、総社市の30代のご夫婦が相談に来られました。お子さんは5歳と2歳。前年に建物を先に完成させ、外構は別の会社に依頼したそうです。図面を拝見すると、リビングの大きな窓の正面に隣家の勝手口がありました。目隠しの木を植えようにも、その位置には雨水の配管が通っていて掘れない。結局、窓の内側に常時ロールスクリーンを下ろして暮らしているとのことでした。「窓を大きくした意味がなくて」という言葉が印象に残っています。
木ままの設計担当は打ち合わせでよくこう伝えています。「窓は一度つけたら動かせません。木は後からでも植えられます。ただし、木のための地面と配管の逃げだけは、先に決めておかないと植えられないんです」。植栽そのものは後回しにできても、植えるための条件は建物工事の中で決まる。ここが混同されやすい点です。
軒とデッキと地面の高さは、建物工事でしか調整できない
室内と庭がつながる家の核心は、実は高低差にあります。一般的な住宅では、リビングの床と庭の地面の間に40〜50cm前後の段差が生じます。この段差をウッドデッキやテラスでどう埋めるかを建物と同時に設計すれば、床と同じ高さの外部空間がつくれます。後からデッキを足す場合、基礎の位置や雨樋、換気口と干渉し、床より一段下がった「乗り越えて出る庭」になりがちです。
軒も同じです。深い軒は夏の高い日差しを遮り、雨の日でも窓を開けられる中間領域をつくりますが、軒の出の寸法は構造計画そのもの。完成後に伸ばすことは現実的にできません。伝統的な日本家屋が深い軒と縁側で室内と庭をつないできたのは、建物と外部を最初から一体の環境装置として考えていたからです。現代の家でこれを再現するなら、断熱や日射取得の計画と併せて、設計初期に決めるしかありません。
予算は「残り」ではなく、最初に枠を決める
外構と庭の費用は、一般に総予算の1割前後、金額にして100〜300万円程度が一つの目安です。ところが建物の打ち合わせを先に進めると、キッチンのグレードや収納の造作で予算は静かに膨らみます。日銀の地域経済報告でも、資材価格の高騰と人件費の上昇で建築コストが増えている状況が指摘されており、「残ったお金で庭を」という進め方では、残らないのが実情です。
正直なところ、後から外構だけを別発注すると割高になるケースもよくあります。建物完成後は重機や資材の搬入経路が塞がれ、手運びの割増や養生費が上乗せされるためです。ケースによりますが、同じ内容の工事でも1〜2割の差が出ることがあります。夜、検索窓に「外構 後から 費用」と何度も打ち込む前に、できることは一つ。最初に「庭・外構枠150万円」のように金額を固定し、建物側の増額と切り分けて管理することです。順番を変えるだけで、庭は削られる対象から計画の一部に変わります。
一体設計をどこまでやるか——判断基準と相談の順番
先に決めるもの・後でよいものの線引き
一体設計といっても、すべてを最初に確定させる必要はありません。線引きの目安はこうです。先に決めるもの:建物の配置、窓の位置と大きさ、軒の出、デッキ・テラスの高さ、駐車場の位置、給排水と外部コンセント、シンボルツリーを植える場所。後でよいもの:樹種の最終選定、地面の仕上げ材、菜園や物置、照明の追加。
見分け方は単純で、「やり直すときにコンクリートや構造を壊すか」です。壊すものは先、置き換えられるものは後。実は、この線引きさえ共有できていれば、入居時の庭は土のままでも構いません。暮らしながら1〜2年かけて庭を育てる施主も珍しくありませんし、その方が使い方に合った庭になることもあります。
別発注と比較した人が確認していた判断基準
建物と庭を別々の会社に頼む選択肢も、当然あります。外構専門店は施工価格で有利な場合があり、一概にどちらが正解とは言えません。比較検討した施主が実際に確認していた基準は、およそ次の5つです。①窓の位置と植栽の位置を同じ図面上で検討してくれるか。②デッキや土間の高さが建物の床基準で描かれているか。③配管・配線の位置を外構計画に反映できるか。④植栽の5年後、10年後の樹高と剪定費用まで説明があるか。⑤建物と外構の予算を一枚の資金計画にまとめてくれるか。
この5つは、依頼先がどこであれ使える公平な物差しです。複数社に同じ質問をぶつけて、答えの具体性を比べてみてください。1社で即決する必要はまったくありません。むしろ比較の過程で、自分たちが庭に求めるものの輪郭がはっきりしてきます。
相談の順番——間取り確定前に庭の話をする
2025年の春に倉敷市で計画が始まったご家族の例です。30代のご夫婦と小学生のお子さん、敷地は約60坪。最初の面談の時点で「庭・外構枠180万円」を先に確保し、間取りのスケッチとアオダモを植える位置の検討を同時に始めました。奥さまは後にこう話しています。「最初は、庭まで一社に頼むと高くつくんじゃないかと半信半疑でした。図面に木の影の落ち方まで描かれているのを見て、ようやく意味が分かったんです」。入居から数か月後、朝の食卓に木の影が伸びてくるのを、お子さんが毎朝指さすようになったそうです。派手な変化ではありません。でも、窓と木の位置を同時に決めたからこそ起きた変化です。
岡山県の推計では、2050年に岡山・倉敷地域の65歳以上の割合は約35%に達します。庭は将来の管理負担まで含めて考える対象で、樹種選びや剪定のしやすさも設計の一部です。だからこそ、こういう人は今すぐ相談すべきです。土地が決まりかけている人、間取りの打ち合わせが2回目以降に進んでいる人。窓の位置が固定される前が、庭の話を始める最後のタイミングだからです。逆に、まだ土地探しの段階なら余裕があります。間取り確定前なら、この状態ならまだ十分間に合います。迷っているなら、完成直後ではなく築数年の庭を見られる見学会に参加するのがおすすめです。植栽が育った実物は、写真より雄弁です。相談は https://www.kimama218.jp/soudan/ 、見学会の日程は https://www.kimama218.jp/event/ で確認できます。
よくある質問
Q1. 外構費の目安はいくらですか?
A1. 総予算の1割前後、100〜300万円が目安です。門柱・駐車場・フェンス・植栽まで含むかで幅が出ます。最初に枠として確保するのが結論です。
Q2. 外構を後から別の会社に頼むと安くなりますか?
A2. 単価は安い場合もありますが、完成後は搬入経路の制約で1〜2割割高になる例もあります。総額と設計の整合性で比較してください。
Q3. 庭は入居時に完成させるべきですか?
A3. いいえ。デッキや配管など壊さないと直せない部分だけ先行し、植栽や仕上げは1〜2年かけて足す進め方でも成立します。
Q4. 庭の管理が不安です。手間はどれくらいかかりますか?
A4. 落葉樹1〜2本と下草程度なら、手入れは月1〜2時間ほどです。剪定を頼む場合は1本あたり年1〜3万円が相場です。樹種選びで負担は大きく変わります。
Q5. 狭い土地でも庭のある家は可能ですか?
A5. 可能です。広さより窓との位置関係が重要で、幅2m程度の庭でも窓・軒と連動させれば室内からの広がりは得られます。
Q6. シンボルツリーの費用はどれくらいですか?
A6. アオダモやヤマボウシなどの中高木で、1本3〜8万円に植え込み費が加わる程度です。ただし配管移設が伴うと数十万円になるため、位置だけは先に決めるのが得策です。
Q7. 建物と庭を一体で頼むデメリットはありますか?
A7. 外構専門店との相見積もりがしにくく、価格比較の手間が増える点です。前述の判断基準5つを複数社に当てて比べれば補えます。
Q8. いつ相談するのがベストですか?
A8. 間取り確定前、できれば土地検討の段階です。窓の位置が固定された後では、庭側の選択肢が半分以下になります。
まとめ
この記事のまとめ:要点3つ
- 窓・軒・デッキの高さ・配管は建物工事と同時にしか決められない。植栽は後からでも、その土台は先に仕込む
- 外構予算は残りで考えず、総予算の1割前後を最初に枠として固定する
- 別発注と迷ったら、判断基準5つを複数社に質問し、答えの具体性で比較する
岡山の注文住宅づくりをまとめて確認
岡山で注文住宅を建てるなら、土地探しや予算、間取り、住宅性能、庭づくり、依頼先選びまで、全体を整理して進めることが大切です。家づくりの流れと押さえておきたいポイントを、以下の完全ガイドでまとめて解説しています。
家づくりのテーマを詳しく知りたい方へ
土地と予算、平屋、住宅性能、庭づくり、建て替え、依頼先選びなど、気になるテーマをさらに詳しく解説しています。現在の悩みや家づくりの段階に合わせて、以下の記事をご覧ください。
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